渡し碑コレクション
常久の渡し  [つねひさのわたし] 


場所
東京都府中市小柳町6丁目
コメント
主な街道には接続していない, 農作業用の渡し。
是政橋と 稲城大橋の間の 東京側, 小柳公園の西端に 府中市の設置した碑がある。

昔は 多摩川を挟んで両側に“常久”の地名があったらしいが, 現在は 町名としては残っていない。
大正8年に 西武多摩川線が開業した時に「常久駅」ができたが, 戦後 府中競艇場 の開設した時に「競艇場前」と改称された。

撮影日
2002年8月
碑文
常久の渡し

 常久渡しは, 常久と 対岸の常久南部(現稲城市)との往来のために設けられていた渡しで, 常久村が管理していたことから その名があります。 この渡しは, 農耕渡し(作場渡し)であったため, 上流の是政渡しや 下流の押立渡しなどと異なり, 渡し賃をとらなかったようです。
 渡しは, 多摩川の水量が多い 4月から9月までは 船を利用し, 渇水期の 10月から3月までは 仮橋を架して往来に供しました。 渡し場には 一般的に桟橋が設けられ, 平底の舟がそこから漕ぎ出されました。 船頭の小屋は 岸辺に設置されていたようです。
          平成元年12月   府中市

常久の渡し 常久の渡し
「常久の渡し」碑