JR篠ノ井線の稲荷山駅から西北西に10km。信州新町市街地の東入口。国道19号(西街道)の“奈津女橋”のたもとに小公園がある。
ここに国道に面して「かあさんの歌発祥の町」と書かれたやや大型の木碑が建っている。
「かあざんの歌」は 1956(昭和31)年に,当時20歳の 窪田聡氏が作詞作曲した歌。
♪かあさんは 夜なべをして
手ぶくろ 編んでくれた・・・
窪田氏は 1935(昭和10)年に東京で生まれ,戦時中に長野県信州新町の父親の実家に疎開した。高校卒業後家出して,さまざまな職業を経験の後,歌声喫茶などで音楽活動を行った。
やがて兄が彼の下宿を探し出し,それ以降時々 母親から食べ物や手編みのセーターなどと一緒に手紙の入った小包が届くようになった。
「かあざんの歌」はこの時代に創作された歌で,疎開時代の田舎の光景や 母親への思いが歌い込まれている。
この歌は 歌声運動を通じて広まり,ダークダックスやペギー葉山によって取り上げられ,さらにNHKの『みんなのうた』でも放送されて全国に知られるようになった。
この碑は 1989(平成元)年に,窪田聡氏が疎開していた信州新町(2010年に長野市に編入)によって設置されたもので,公園内には「かあざんの歌」の歌碑が建立されている。