JR常磐線・金町駅の 700m東。江戸川の堤防の内側に“葛西神社”がある。
神社の境内に 大きな「葛西ばやし碑」の碑(写真[1]) が, また 参道入口の鳥居脇に
葛飾区が建てた「史跡 葛西神社 (葛西ばやし発祥の地)」碑(写真[2]) が建っている。
「葛西ばやし」は 祭りばやしの元祖で, 葛飾方面の農村に伝わってきた郷土芸能。
今から300年前, 享保のはじめに 葛西神社のの神官 能勢氏が
敬神の和歌に合わせて旋律を工夫し, 村内の若者達に教えたのが起源とされる。
この葛西ばやしは その後各地に広がり, いくつもの流儀を生んだ。
戦前までは単に「おはやし」あるいは「和歌ばやし」「馬鹿ばやし」などと呼ばれていた。
太平洋戦争後, 有志によって「葛西ばやし保存会」を結成し,
昭和28年 東京都より無形文化財の指定を受け 今日に及んでいる。
現在, 葛西神社の例大祭や 酉の市などの祭事に演奏されるほか,
毎年10月1日の都民の日には 各地の名人がここに集まり 腕前を競うという。