箱根登山鉄道 箱根湯本駅から 南西に500m。ホテル河鹿荘の横で湯本橋を渡ると,
正面が 吉池旅館。その玄関前に 褐色の自然石に刻まれた発祥碑が建つ。
石碑には「日本水力発電発祥地跡」と書かれているが,
この碑は「国産の発動機を使った最初の発電所」を意味しているという。
1892(明治25)年5月“須雲川発電所”が完成。この付近に製糸工場をつくった今村男爵の父親が,
須雲川から水を引いて発電した。水車は“中島工場製”, 発電機は“三吉電気工場製”で
いずれも国産第一号。
発電された電力は 箱根湯本から塔之沢方面に電灯用として供給された。
営業用の発電所としては, 2年前に 京都・蹴上の発電所が稼働していたが,
発電機等の設備は輸入に頼っていた。
関東地方では ここが 営業用発電所の第一号となる。
その後「箱根電灯発電所」となり 出力の向上もはかられたが, 須雲川上流に
大型の発電所ができたため, 1900(明治33)年に 発電所の機能を停止した。
石碑は 6〜7年前(?) に建てられたもの。