天水町役場の1.5km南。国道501号沿いに 小天温泉(那古井館)がある。
ここから更に 東に向って200mほど上ると, 「漱石館」と書かれた案内標識があり,
その敷地内に「小説 草枕 発祥の地」と刻まれた石碑がある。
漱石館は 小天の名門(衆議院議員)前田案山子の別邸で, 熊本の五高教授だった夏目漱石が
明治31年の正月を過ごすために ここに泊まった。
現在は 天水町が整備して 一般公開しており, 離れの一間が史跡として保存されている。
漱石のこの時の体験が「草枕」を生んだといわれ, 小説の中では“那古井の宿”として登場する。
滞在中 前田案山子の娘の卓に出会う。「草枕」のヒロイン那美のモデルで,
案山子本人も「志保田の隠居」のモデルと言われる。
私が訪れた時は, たまたま運が悪かったのか, 訪れる人も少ないせいなのか,
庭は草ぼうぼうで 荒れ放題という印象。
歩いていると 蚊がわんわんと群がってきて, 叩き潰しても 後からあとから刺されて
ボコボコになった。
発祥碑は 「漱石館」と書かれた上の入り口から入り,
更に 崖状になった斜面を下りた 下の庭に建っている。
なかなか場所がわからず 探し出すのに苦労した。
碑面が汚れ, 写真も不鮮明なため, 碑文の1/3ほどが読み取れない。