台風

[98-11-01]


今年は台風の発生が少なかったようだ。10月末までに 11号までしか発生していない。
過去50年間の統計によると,

    発生数   年平均  28個,  最多 39個,  最少 19個
    上陸数   年平均   3個,  最多  6個,  最少  0個
だそうだから, 今年は発生数最少の記録を更新するのかもしれない。

しかし, 発生は少なかったものの 日本に接近・上陸した台風は かなりあったような気がする。 連続してやってきたりしたので そう思うだけかもしれないと思ったが, 思いつく限り並べてみると 下記のようなものがあった。 (キチンと調べたわけではないので 違っているかもしれない。)

         8月    台風4号
        9月    台風5号
        9月    台風6号
        9月    台風7号
        9月    台風8号
        9月    台風9号
        10月    台風10号
この中で最後の 台風10号は, 足早に西日本を縦断して, 日本海に抜けた後も 更に北日本に影響を残して行ったが, 明石にもかなりの被害を置いて行ってくれた。

10月18日。最初の予想より南寄りの進路になりそうで 明石も直撃しそうだ ということだったが, またいつものように通過して終わるのだろうと あまり心配もしなかった。 九州に上陸し 四国に入ったと聞いても まさか自分のところに直接影響があるとは思わず 安心しきっていた。 事実 瀬戸内海を四国から岡山県に抜けたと言われる時点でも 当地ではそれほど風は吹かないし 特別大雨というわけでもなかった。
ところが 深夜12時を過ぎたとたんに, 猛烈な風が吹きはじめた。 南東の方向から雨が吹きつける。南面についているキッチンの換気扇が 逆回りにすごい勢いで回りだした。
そして なんと7階建ての細長いマンションが揺れはじめたではないか。 もともとこの建物は, すぐ近くを通っている新幹線を列車が通過すると その2秒ぐらい前から (震度1〜2ぐらいで) 比較的ゆっくりした周期で揺れるので それほど驚くこともないのだが, 台風で揺れるマンションなんてあまり聞いたことがない。 (実は 4年前の震災で基礎が壊れて そのために倒壊寸前なのではないかと, 内心ヒヤヒヤしているのだが... )

テレビで台風情報を見ると, 和歌山県で 瞬間風速58メートル?だったと 言っていたが, 明石のアの字も出てこない。 地域的にここだけが強く感じるのだろうか。
しかしこの風は 私の今までの経験では, 昭和20年代の キャサリン台風だったか ジェーン台風だったかの時に経験した 風以来である。あの時は 血相を変えたオヤジの命令で, 全部の雨戸を内側から徹底的に釘付けにして 家が飛ばされるのを防いだことを, 今でも鮮明に覚えている。

猛烈な風は 1時間程たったら ウソのようにおさまってしまい, あまりオオゴトにならずに済んだが, 換気扇からすごい勢いで雨が吹き込んできたのには参った。 普段から風の強い時に 雨が吹き込んで雨漏り状態となり 床がビショビショになるので, この経験を生かして ビニールの袋をぶら下げておいたのだが, 今回の台風では 一晩で 写真のように大量の水が溜まっていた。

翌日の新聞によると, 明石市内の瞬間最大風速は 48.9メートルだったということで, 市内の銭湯の十数メートルの煙突が隣家に倒れこんだ という騒ぎもあったそうだ。 幸い 私の住んでいるあたりでは何事もなかったようだ。


この台風の影響で, 明石工場では 樹木が傾いたり倒れたりしたものが 約50本あった。中には10メートルを超える大木が根こそぎ倒されたりした。 その他にも テニスコートのフェンスが傾くなど いくつかの小さな被害があったようだが, あまり大事はなく 一安心した。

一つ不思議に思ったのは, 同じ種類の木が何本も並んでいるのに, その中の1本だけが倒れたり傾いたりしていることだ。 並んでいる木の中では 当然一番弱い木が倒れるのだろうが, みんな同じ条件で生えているように見えても それぞれ個別に違う環境を背負って生きているのかもしれない。
聞くところによると,倒れた木はどれも あまり根を張っていなかったそうである。 このあたりの土地は粘土層のため 根がごく浅い地表だけを張っているために 風に弱いのだろうという説明だったが, さて真相は...?

正門近く(調整池南側)では, 高さ15メートルぐらいもあるポプラの木が 根こそぎ倒れた。
構内にたくさん植えられているビャクシンの木は 特に倒れやすいのか, 全部で30本以上もこのように傾いてしまった。
建物に沿って植えてあるので それほど強い風は当たらないように思うのだが...
体育館(正面に見える)の裏側にある テニスコートのフェンス(金網)が 風にあおられて傾いた。

[98.11.6 追加]

今回は台風の影響を直接受けた 明石地区に住む方からコメントを たくさんいただきました。その一部をご紹介。

【Mさんから】

南東向きの我部屋も南風の直撃を受け、窓ガラスは振動してました。
そのなかを、洗濯竿を取り込むために、ベランダにでました。
(洗濯竿がガラスを直撃すると悲惨ですからね・・・)
ほんの5秒程度の間ですが、体を自由に動かせられない・・・
風速50メートルって、凄いと実感した一夜でした。

台風が来た時は、酔っ払って早めに寝るのが良いのかもしれません。

【Iさんから】

今回の台風(10号)には私もびっくりしました。
12時前にはたいした風も吹いていなかったのに(いつもの台風よりやや弱い)、
12時過ぎに「さて寝よう」とした時に急に家が揺れてきた。外で「バリバリ」
という音が.......
てっきり車庫の屋根(ガラス入り波板)が破れて飛んでしまったと覚悟しましたが、
朝になって見てみると隣のベランダの屋根が無くなっていた。

子供のころは、台風が来れば 江井が島の海岸(護岸の内側)へ波をよく見に
行きましたが、新聞等で波見物の人が波にさらわれる事故が毎回報道される度に、
子供の頃を忘れて「非常識だな〜」と妻と話していますが、独身だと見に行って
いるかも知れません。
(大波には人を魅了するものが有りますネ)

【Fさんから】

ほんとに今回の台風はすごかったですね。
とは言っても寝ている間に過ぎてしまったので自分に被害は
何もないのですが・・・
いつも予報が先走り,日曜日に出かけるなんてとんでもない
とかって話してたわりに日曜日は晴天で神戸に買い物に出か
けました。取り越し苦労とはこのことです。

でも月曜日に会社に来てみると,建屋の横の木が見事に倒れ
てました。ただテニスコートがあんなことになってるとは
知りませんでしたが・・・。

サティの袋は思わず笑ってしまいました。
でも笑えるぐらいの被害で済んで良かったとつくづく思いま
す。今回の台風でも死者や行方不明者がでたとか。
やっぱり自然の恐ろしさを実感させられた今回の台風です。

【Mさんから】

本当に先日の台風はすごかったですね。
あの、換気扇に取り付けられた?ビニールにたまった水は、ちょっとすごい
ものがありますね。
近代的高層ビルにも、自然には逆らえない・・・といったところでしょうか?

台風と言えば思い出すのが、バブルのころの、台風19(?)号。
雨が全く降らない風台風だったのですが、塩害がひどくて、大変でした。
普通は雨で流れるそうですね。

父も妹も私もそれぞれ、バブルっぽく、飲みに行っていて、全員神戸から
帰られなくなったのです。
海の塩で、電車のパンタグラフが、ショートして電車が止まってしまった
のが原因です。
信号機もほとんど、停電で、渋滞もすごいものでした。
妹と私は、女性という事で、タクシーや友人の車で帰ってきたのですが、
父は、電車がとまりタクシーにも断られ、徒歩で、帰宅したのは朝の5時
でした。
通勤用自転車も塩まみれて、あっというまに、錆だらけ。

このあたりでは、台風の被害は、あまり聞きませんが、
あなどってはいけませんねー。

台風10号では、うちのちりとりが、消えました。
迷惑をかけていなければいいですが・・・。
心配です。
前もってきちんと、しておかないと・・と改めて思いなおしました。

【Yさんから】

風で揺れるとはコワイですね。そろそろ マンションを引き払うべき
時期かも知れませんね!?
  私が住んでいるマンションは 台風で揺れることはないのですが(気が
ついていないだけかも知れませんが)風が強い日などは ベランダ側の
大きなガラスが歪むのが分かります。マンションに住み始めたころは
恐かったものですが 今では 気にもしていません。慣れって恐ろしい
ですね。

  換気扇につけたビニール袋の写真ですが なかなか しっかりと
雨水を貯えているようですね。雨水の重さのために ガムテープが
外れないのかしら なんて心配してしまいますが・・・・。
  これ以上,雨水が溜まるようなら 漏斗を用意し,そこからホース
で流しへ導くのが正解でしょうか! もっとも 袋の下が流しなら
その必要もなさそうですが 多分,袋をセットするくらいだから
換気扇の下は 流しではないのでしょうね。

雨漏りの袋については 皆さんに楽しんでいただけたようで, 私としても書いた甲斐があったというものです(^^;)
中には「そこまでさらけ出さなくてもいいのに」と忠告して くれた方もいましたが, いいんです。どうせ借りている部屋で, 家主の責任なんだから。
家主には 前から苦情を言っていて 一度修理に来ましたが, どうやら構造的な欠陥があるらしくて 直らなかったのです。 シャッターはついていますが, 少し風が吹くと バタバタするような ヤワな構造なので, 防水の役割は果たしていません。
しかし いくら賃貸マンションだからと言っても, 床がビショビショになるのは耐えられないので, みっともないのは承知で袋をぶら下げました。 「お, 昨日の雨はすごかったんだな」なんて ディジタルな評価ができるので 結構気に入っています。

しかし あれだけ大量の水が溜まったのは初めてです。 以前 ややたくさんの水がたまった時に, 重みで「バシャー!」と袋ごと落っこちたことがありまして, 大騒ぎでした。それ以来 ガムテープの貼りかたのコツを覚えました。

それと, ある時 水が溜まっているのに気がついて, 半日後に水を汲みだそうとしたら もうなくなっていました。 ビニール(ポリエチレン)の買い物袋は ピンホールが 開いているものが多いのです。 それ以来 新しいものに取り替える時は気をつけるようにしていますが, 利用できるものを探そうとすると かなり歩留りが悪いことがわかりました。

【Uさんから】

換気扇からの雨漏りは換気扇の欠陥でしょうね.
外側にシャッターとか庇はないのですか?

九州は台風の直撃を受けることが多くて,特に昭和27年には, 九州全域で
多くの死者が出ました.
その年の夏に木造のボロ長屋から鉄筋のアパートに引っ越していたので,
鉄筋は安心だねと母親がつぶやいていたのを子供心に覚えています.
実は,そのときの台風で,前に住んでいたところは長家ごと水没して
社宅だったその場所から炭鉱の会社が撤退したと,つい5年程前に知りました.
40数年ぶりに尋ねてみると,長屋の入り口にあった門の柱だけが残って,
あとは空き地のまま,さながら猿の惑星の最後のシーンのようでした.
そのころを境に,九州の石炭産業が衰退していきました.

台風と言えば,昔は台風が来るたびに停電になっていましたが,
最近は,雷の直撃でもないと停電になりません.
送電線が強くなったのか,トランスが水に強くなったのか,どなたか
その辺りの事情に詳しい人はいませんでしょうか.

長い間の経験で 送電線もトランスも強くなってきたんじゃないでしょうか。 それに 幹線は一カ所が切断されても すぐに迂回路に切り替わる などの システムもできているんでしょう。
とは言っても, 時に 鉄塔が何本も連続して倒れてしまったり, 塩害で停電になったりと, 思いがけないトラブルはなくならないようですね。
今年あちこちで堤防が決壊して洪水 なんてことがありましたが, 「今の時代にも堤防が決壊することがあるの?」と思います。

人間は経験しないトラブルは予測ができないもので, たとえば システムの障害が連発した後 「障害の要因は全部対策したから もう障害は起きない」 などと言ったって, 引き続き新しい原因の障害が起きるのが通例ですよね(^^;)




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